2011年1月 記事の一覧
ThinkPad X200 を SSD + メモリー8GB 化した
ThinkPad X200 を購入して早 2年、後継の X201 の発売にもめげずに外での開発マシンとして活用しています。というか、いまや外で開発している方が多いため、事実上 X200 がメインマシンとなりつつあります。
主な用途は Web 開発なのですが、Rails の開発の際は VMWare Player 上で Linux を動かしてそこでテストやデバッグなどを行ったり、PhotoShop や Illustrator などで素材をいじったり、FlexBuilder で Multtiple の開発をしたりといった感じで使っていると、さすがに動作が重くなったり、再起動明けに落ち着くまで待たされたりといったことが多くなってきました。
とはいえ、X201(s) へ乗り換えても、そこまで大きく変わらないし何よりお高い・・・
それにもう年末だ(った)し、というわけで思い切って以下のようなアップグレードを行うことにしました。
・メモリーを 3GB から 8GB に増設
・ハードディスクを SSD に換装
・OS を Windows XP (32ビット) から Windows 7 (64ビット) に変更(クリーンインストール)
ちなみに、X200 の公称最大メモリー容量は 4GB なのですが、ハード的には(チップセットは) 8GB まで対応しているようで、いくつかのブログで問題なく動作したというレポートが書かれていたので、ちょっとチャレンジ気味に実施してみることにしました。
用意したのは DDR3 PC-8500 (メーカー失念) の 4GB x 2枚です。結果から言えば、問題なく認識しました。
これでどう嬉しくなるのか
・ハードディスクを SSD に換装
簡単に言うと:作業が快適になります。
ハードディスクは OS やアプリケーション、作成したドキュメントといったさまざまなファイル(データ)を記録しておく場所。そして、SSD は Solid State Disk の略で、ものすごく簡単に言えばハードディスクより読み書きが高速になったディスクです。特に OS やアプリケーションの起動は数倍~数十倍高速化することができます。さらに HDD のように物理的に動作する機構がないため、騒音もなく物理的な衝撃にも強いといったメリットもあります。
(ちなみにランダムアクセスに弱い、書き込み上限などといったデメリットもあります。)
・メモリーを 3GB から 8GB に増設
簡単に言うと:作業が快適になります。
メモリー(正確にはメインメモリー)は起動中の OS やアプリケーションのデータなどを一時的に記憶しておくための場所です。、CPU がメモリーから必要なデータを取り出し、計算を行ったうえでメモリーに戻す、という流れを繰り返すことによって PC の処理が行われていきます。メモリー上のデータは PC の電源を落とすと消えてしまいますが、読み書きの速度はハードディスクよりはるかに高速です。ですので基本的には PC の動作に必要なデータはまずハードディスクからメモリー上に置かれ、さらにそこから CPU が読み込んで処理を行っているのです。
ちなみに、メモリーに置ききれなくなったデータはハードディスク上に一時的に置かれてしまうため、その際の読み書きが遅くなってしまいます。(PCの動作が重くなる原因の 1つがこれ。)メモリーが増えれば その分ハードディスクに置かれるデータが減り、高速に動作させることが出来るようになるのです。
・OS を Windows XP (32ビット) から Windows 7 (64ビット) に変更
簡単に言うと:メモリーを 8GB にするのに必要です。
これは最新の Windows になったことよりも、32ビットOS から 64ビットOS に変えたことに意味があります。
両者の違いは、データを 32ビットで扱うか 64ビットで扱うかの違いなのですが、32ビットは 2の32乗 = 4,294,967,296 = 4GB になります。
これはどういうことがというと、4GBを越えてしまうデータを扱うことができない・・・わけではないのですが、少なくともメモリーに関しては 4GBまでしか扱えないことになります。
もう少し詳しく説明すると、メモリー上のデータにはアドレスと呼ばれる一意の番号が割り振られていて、どのアドレスにどのデータが入っているかを管理しています。このアドレスが 4GB までしか扱えないため、これを越えるメモリーが管理できないということになります。 (実際には、ビデオ用のメモリーも管理しているため、3GBが上限になります。)
これが 64ビット まで扱えるようになると、理論上 2の64乗=18,446,744,073,709,551,616=16EB(エクサバイト/16EB=16384テラバイト) までのメモリーを使えることができるようになります。
というわけで 3GB 以上のメモリーを使うためには 64ビット OS に乗り換える必要があったので、最新版である Windows 7 を選んだわけです。
# ちなみに僕は Windows 使いです。TepaEditor が使えなくなるからね ;)
おいくら万円?
それぞれの価格ですが
SSD:約 16,000円
メモリ:約 8,000円
OS:約 14,000円(Professional の DPS版)
といったところです。(2010年12月の相場)
4万近くかかりましたが、当然ながら買い替えに比べたらだいぶ安上がりです。
買った後にやったこと
とりあえず HDD の交換やメモリーの増設は以下のリンクで。
ThinkPad X200のハードディスク交換方法
http://thinkpad244.blog48.fc2.com/blog-entry-5.html
メモリー
http://d.hatena.ne.jp/matu_tak/20100326/1269581021
環境は XP 時代のものを引継がずに、1から入れなおしたので環境設定も必要になってきます。
・Lenovo System Update 4 のインストール
x200用のドライバーやユーティリティーなどを導入するのに、別でインストールはめんどくさいのでシステムアップデート経由で行いました。
http://www-06.ibm.com/jp/domino04/pc/support/Sylphd02.nsf/jtechinfo/TVSU-UPDATE
ハードディスクのプロテクション(振動や落下を検知してハードディスクの動作を停止させる機能)なんかはいらないので外しました。
・RamDisk の作成
SSD は書き込みを繰り返すと内部の素子が劣化してデータが記憶できなくなるため(=製品寿命)、書き込みをなるべく減らしたほうがよいといわれています。
なので、一時ファイルなど消えてもいいデータは RamDisk(メモリーの一部を仮想的なハードディスクとして扱うもの)を作成して、そこに記録するようにしました。
Windows 7 x64でRAM Diskを使う
http://projectzero-swb.blogspot.com/2009/06/windows-7-x64ram-disk.html
あとはもろもろ使用するソフトのインストールなどを行って環境整備が完了。だいぶ快適になりました。
買ってからしばらく経ったPC に不満を感じるようになった方は、買い替えの前にこうしたアップグレードを検討してみてはいかがでしょうか。
であ、また。